ON the borderLINE (2021)
Description:
東京工業大学にて、自身で企画・プロデュース・ディレクションを行った学生アート展示会。参加学生9名。開催場所は渋谷スクランブルスクエアQWS、開催期間は4日間で計160名以上の方にご来場いただいた。
開催への思い:
【東工大なのに展示会? <ON the borderLINE>】
実は現所属の研究室 <東工大 サイエンス&アート Lab>には「表現活動をやりたい」と思いで,研究室を選択しました.
しかし,東京工業大学は科学技術大学という特性もあり,いわゆる芸術大学のような展示会は行うことはなく,そもそも,表現活動に対して何の声も上がっていない状況でした.「無いのであれば作ればいい」,そのような思いで今回,個人としては修論追い込みのドタバタ状況ではありましたが,メンバーを募り開催をするに至りました.
「東工大なのに展示会?」.そう思われる方も多いかと思います.近年では,サイエンス・テクノロジー(自然科学)とアート(人文科学)を跨ぐ領域は学際領域などとして扱われています.このように,アカデミックなコンテクストからも,文理の境界は少しずつ薄くなっているように感じます.テクノロジーが高度に発達しすぎた現代では,かつて「発明」や「芸術」の垣根が無かったように,今一度,表現を通して世界を俯瞰するにはよいタイミングなのかもしれません.今回集まった作品は,東工大らしい科学技術を背景にした作品はもちろん,コンセプトを重視で制作しています.思考プロセスを言語化し,表現を通して,世に問いを投げかける,そのような活動の先に,人類の新しい未来につながるヒントがあると思っています.
また,企画当初,自分のための表現活動の一環として声をあげたつもりでした.しかし,0からの創造は想像以上に厳しく,気付けば自分の作品作りではなく,展示会そのものをどう作るか,といったことを考えるようになっていました.今回,自分個人の作品出展はしていません,しかし,新しい表現活動の場の出発点をつくることは出来たと自負しており,もはや,この展示会そのものが作品だと感じています.
最後に,展示会企画をとおして,自分が創りたかったのは,「展示会という点」ではなく,「創造への探究・文化という線」であることに気付かされました.今回,東工大という一見,表現や芸術とは無縁に感じる場所から種を蒔いてみました.どんな科学反応が起きたでしょうか.様々なコミュニティに伝播し,いろいろな種類の芽が出ることを期待しています.
Gallery:
Duration:
2021/02/25 - 2021/02/28 12:30 - 19:30
Place:
渋谷QWS内PLAY GROUND
Venue Sponsor:
Shibuya QWS
Members List:
Producer and Director: Masamune Kawasaki
Web design: Yuke Wang/ Earthy
Poster design: Yummy/ Ayano Nagata
Exhibition hall design: Chihiro Wada / Rei Sato
Staff: Farah Fauzia / Tomohiro Ichikawa / Wang Hezheng/ Natsumi Kato
Honorable Advisor:
Dr. Heather Barnett (Central Saint Martins, University Arts London)
Special Thanks: Prof. Kayoko Nohara / Prof. Masahiko Hara / Dr. Giorgio Salani / Mariko Ninomiya / Shibuya QWS staffs
Organized by: Nohara Lab, Dept. of Transdisciplinary Science and Engineering, School of Environment and Society;
Tokyo Tech World Research Hub Initiative(WRHI) Satellite Lab STADHI (Science & Technology + Art & Design Hybrid Innovation)